「瞑想で宇宙と繋がることができる」、「宇宙の広大なエネルギーを瞑想で感じよう」、このようなことを突然言われると、少し身構えてしまう方も多いのではないでしょうか。
「マインドフルネス」というビジネスマンなどに向けた科学的な瞑想法が流行っている今、スピリチュアルな瞑想の捉え方については、昔とは少しずつ変わっていっています。
しかし、仏教を起源とした瞑想の考え方は、別に科学的根拠だけがその魅力ではありません。
宗教的な意味合いや捉え方での瞑想実施で心が救われた方も多いですし、それこそ瞑想のあるべき姿の一つであるという考えもあります。
それにこの「宇宙と繋がる」ということは、別に突拍子もないことを言っている訳ではなく、しっかりとした考えがもとになっていると聞けば、少し興味が出てくるのではないでしょうか。
今回はそんな瞑想で宇宙が繋がるということについて、自分なりに解説を行っていきます。
瞑想とは
基本の瞑想の定義や考え方はいろいろあり、主なものとしては以下の通りになります。
・心を平静にして神に祈ること
・一つのことにのみ意識を向け、集中すること(サマタ瞑想)
・ひたすら心を無心にして、物事をあるかままに受け入れること(ヴィパッサナー瞑想)
・神などの神聖なイメージを心に浮かべたり、去来したりすること
このように瞑想をいっても、いろいろな概念があるのです。
現在流行している「マインドフルネス瞑想」の考え方では、一点集中し自分の集中力を高める「サマタ瞑想」と、物事をあるがままに受け入れ観察し、自分のストレスや感情に対処していく「ヴィパッサナー瞑想」の概念が近いでしょう。
また、瞑想は宗派によっても考え方が変わり、ヒンドゥー教では輪廻転生しても変わることない不変の存在であるとする「アートマン(真我)」へ、仏教ではそれを否定し、人間の自我は雲のように変化し続ける「ナートマン(非我)」へ到達、合一することを目標にするという考えがあります。
本来の瞑想はこのように神や高次元の精神に到達、触れることを目的としたものです。
「マインドフルネス」の考え方は、この瞑想実施による心の状態を科学的に分析し、人間個人の生産性の向上や精神病治療の効果にフォーカスしているのです。
瞑想は宇宙と繋がれる?
もともとの瞑想の概念では、神などの高次元な存在に繋がるための手法であるという考え方があります。
では宇宙と繋がるということも、神を感じることと同じような感覚ということなのでしょうか?
実際に瞑想体験者の中には「宇宙を感じられた」、「神様の姿が見えた」という神秘体験をした方もおられるのも事実なのですが、そういった体験を言葉にするのはなかなか難しいです。
しかし、この宇宙と繋がるという概念は、「集合的無意識」と呼ばれる「潜在意識」の考え方から派生したのではないかと考えられます。
ですので当記事においては、この「潜在意識」の考え方から、瞑想で宇宙に繋がるという意味を考えていきたいと思います。
潜在意識について
心理学者であるフロイトやユングも概念を提唱した、「潜在意識」をご存知でしょうか。
潜在意識とは、いわば自分の中にいるもう一人の自分のことです。
たとえば人体の細胞の動き、意識的には思い出せなくても、ふとしたことで記憶が蘇る現象、人が毎日行う習慣の繰り返しなど、私たちが普段使っている思考などとはまた別に働く意思のことになります。
つまりは根本的な生命活動や意思決定、生きてきて蓄積され続けた記憶など、自分の在り方や生き方を根本的に決めている心や脳の領域であるということです。
そしてこの潜在意識には二つの種類があり、一つは個人の今までの経験がすべて記録されている「個人的無意識」、そしてもう一つは今回重要になる「集合的無意識」になります。
瞑想で宇宙と繋がるということは「集合的無意識」と繋がること?
集合的無意識は人間の考え方や生き方の根本となっている潜在意識の一つですが、そのスケールは広大です。
なんと人類と言う種の共通認識であり、命が誕生してからこれまですべての生命活動が蓄積されている「原始意識」とも呼ばれています。
たとえば前世の記憶なども、この集合的無意識が関係しているとされています。
そしてこの集合的無意識の考え方の中では、個人の枠はなくなりあらゆることが繋がっているという考え方になるのです。(ユングはすべての人間はすでに交流していると述べた)
重要なのはこの「あらゆることが繋がっている」ということ。
日本ではあまりなじみがないかもしれませんが、西洋ではこの「あらゆるもの」をuniverse(ユニバース)、宇宙と表現します。
ということは宇宙=あらゆるもの、そしてあらゆるもの=潜在意識である集合的無意識ということになります。
つまりは瞑想で宇宙に繋がるということは、自分の中にある潜在意識をしっかりと認識するということなのです。
潜在意識は普段は出にくいとはいえ、自分の中にある確かにある根本的な信念や意識なので、やり方さえ間違えなければきちんと認識したり書き換えたりすることができます。
ですので、宇宙と繋がる瞑想とは、自分の潜在意識に働きかけて、自分の意志や生き方を変えたり、生きる希望をもらったりすることなのではないかと考えます。
他の宇宙とつながる瞑想について
今回解説した宇宙と繋がる瞑想の他にも、いろいろと宇宙を繋がる瞑想の概念はあります。
たとえば同じ集合的無意識の考え方には、シンクロニシティ(意味のある偶然の一致)というものがあり、これらは引き寄せの法則の一旦として説明がされています。
また、物理学における量子や波動が人間の意識を向けることで粒子に変化、振動し、それがあらゆる粒子に振動として伝わって宇宙まで到達するという考えもあります。
さらに第八チャクラを開くと宇宙と繋がれるなどある種スピリチュアルな考え方もあり、その概念はさまざまであるとわかります。
しかし、すべてに共通しているのは「瞑想を通じて」宇宙と繋がるということ。
つまりはどんな考え方や理論があろうとも、瞑想を実施することこそそれぞれの宇宙につながる方法ということなのです。
瞑想のやり方
ここでは基本の呼吸瞑想をご紹介します。
潜在意識にアクセスする瞑想、引き寄せの法則に関係する瞑想、そして今流行のマインドフルネス瞑想も、すべてはこの基本の瞑想がベースとなっています。
この基本瞑想を身につけて、あらゆる瞑想の効果を自分のものとしていきましょう。
1. 椅子にリラックスして座り、基本姿勢を取る
2. 足が地面についている、お尻が椅子に触れているなどの「接触の感覚」をしっかりと意識する
3. 呼吸に意識を集中させる
4. 雑念が湧いたらその事実に気づき、戻しますと自分に言い聞かせ呼吸に再び集中する
まずはこれを一日5分~10分でも良いので行っていき、徐々に時間を延ばしていきましょう。
まとめ
瞑想で宇宙と繋がると聞いただけではなかなかイメージがしづらいですが、しっかりと意味を理解すればそれほど突拍子な話では決してありません。
そのような意識を持って瞑想を行っていくことで、宇宙を感じることによる心の平穏、潜在意識改革による毎日の習慣の変化など、あなたの人生を前向きに生きるためのヒントや方法が見つけられるでしょう。
是非あなたも、これから宇宙と繋がる瞑想を始めてみてはいかがでしょうか。