うつ病、パニック障害、不眠症、接触障害など程度はいろいろあるものの、周りを見渡せば何かしら精神障害を発症している人が一人はいるのではないでしょうか?
精神障害が増えた理由に社会環境の変化や人間関係の複雑さがあげられますが、同じような環境にいても全員が精神疾患を患うわけではなく、そこにはその人の考え方や性格が大きく係わっているようですね。
人の性格や考え方は、育った環境や影響を受けた人間関係にも左右されますが、「三つ子の魂百まで」ということわざがあるように、生まれたときのもともとの性格もあり、良い悪いに係わらず一度身についた性格や考え方は大人になればなるほど固まっていくようです。
精神疾患を患いやすい人の特徴として、思考回路がマイナスに向きやすい傾向があるようですね。
また、次に起こる選択肢がマイナス傾向の一つしかないと感じるのも、精神疾患者の特徴ともいえます。
たとえば、受験勉強に失敗したとしてもそのことで人生に真剣に向き合い、結果として地に足が着いたしっかりとした人生を送る人もあるわけですが…。
悩み癖、思い癖、心配性などネガティブ思考が身についた人は、自分の周りに起こるできごとを自分では気づかずに悪い癖のまま処理していることが少なくありません。
ネガティブ思考は心にストレスを生みやすく、過剰になったストレスを自分の中で処理できなくなると、さまざまな精神疾患となって現われてきます。
こういった考えの癖や行動パターンを踏まえて、ポジティブなイメージや肯定的思考だけでなく、その先にはさまざまな起こりうる現実がいろいろあることを自覚できるようにするのが認知行動療法で、精神疾患患者に良い結果をもたらしてきました。
同じように最初は精神疾患患者の治療目的に研究されて、今や精神疾患の治療だけでなく日常生活のストレス低減に大きく効果をもたらしているマインドフルネスがあります。
マインドフルネスと認知行動療法にはどのような違いがあるのか見てみましょう
マインドフルネスと認知行動療法の違い
マインドフルネスを基礎とした心理療法にマインドフルネス認知療法あります。
マインドフルネスの特徴とする「感情をいれることなく観察や気づきに集中する行為」を、思考や体の感覚に求めたもの。
マインドフルネス認知療法を分かりやすく説明するために「3分間呼吸空間法」をご紹介しましょう。
・まず自分の心に意識を集中させ、今心にある思考や感情、また体に現われている変化に気づきます。
・次に呼吸に集中し心の安定を図ります。
・呼吸に意識を向けながら、全身の感覚を感じ取ります。
マインドフルネス認知療法は、心に意識を集中させたとき自分の感情に突き動かされたり、価値判断をするのではなく、第三者が眺めている感じであるがままに心の内にある思考や感情を観察します。
すると否定的な感情のプロセスや行動が見えるようになり、同じような行動を自ら避けるようになるとのこと。
神経障害を患っている人は少なからず考え方の偏りやネガティブ思考が見受けられ、それにネガティブ感情が加わってさらに症状を悪化させている人も多いようですね。
認知行動療法はこの考え方の偏りやネガティブ思考に焦点を当て、現実とポジティブ思考とそれに伴う感情を分かりやすく示し、患者が現実を把握し自分の考えや感情を冷静に受け止めることで神経障害が改善されること目的としています。
また、ある状況が生じたとき、たいていはその先に複数の選択肢があるものですが、その都度適応し現実的な認知や判断ができるよう手助けしていきます。
マインドフルネスと認知行動療法は、どちらも神経障害に効果的な改善方法ですが、神経障害改善が山頂とするならば、同じ頂上に向かって反対の上り口からそれぞれが登っているといったところでしょうか?
まとめ
人にはそれぞれ思い癖があり、ポジティブに生きている人もいればネガティブな人もいますよね。
一度きりの人生ならば楽しく明るく過ごしたいものです。
「人間万事塞翁が馬」ということわざがありますが、そう思えばどんな状況でもやり過ごせそうな気がしませんか?