あなたは「潜在意識」という言葉の意味をご存知でしょうか。
この潜在意識は、普段私たちが思考や行動などを決めている領域よりもはるかに多くの経験、知識、記憶を貯蔵しており、うまく利用すればあなたの習慣、思考、そして人生を劇的に変えることに繋がっていきます。
そして、普段は隠れているこの潜在意識を働かせるには、瞑想の実施が非常に効果的となるのです。
今回は瞑想や潜在意識について、そしてあなたの潜在意識にアプローチしていく瞑想方法を解説していきます。
瞑想とは
瞑想とは座禅を組んで行う行為的な意味合いに捉えられがちですが、実際の瞑想とは心の在り方であり、どちらかといえば行為よりも状態を表します。
しかし、瞑想状態に至るための行為も「瞑想する」と言い換えられるため、行動の意味合いでの瞑想でも正しい使い方と言って良いでしょう。
現在考えられている瞑想には、神に祈りをささげる宗教的なものや、ただ自分とひたすらに向き合うものなどいろいろな概念があります。
その中で今回のテーマに適切であり、私たちにより身近な瞑想は、「心を無にして、物事をありのままに見る」という瞑想方法です。
仏教上座位においては、一点に集中するサマタ瞑想、周りのすべてをありのまま捉えるヴィパッサナー瞑想がこれにあたります。
今流行している「マインドフルネス瞑想」も、この概念を利用しているのです。
この瞑想を行うことで自分の感情や思考を客観的、つまりある種他人事のように捉えることができるようになり、物事を冷静に受け止めたり、感情に左右されない考え方になったりします。
そうすることでストレスの軽減、集中力の向上、記憶力の向上などの効果を得ることができます。
しかし、この瞑想と「潜在意識」には、一体どのような関係があるのでしょうか?
潜在意識について
普段、私たち人間が日常的に使用し認識できているものは「顕在意識(けんざいいしき)」と呼ばれ、表面的な判断や感情を司ります。
それに対し「潜在意識(せんざいいしき)」とは、いわば自分の中にいるもう一人の自分であり、自分では思い出せないようなことも含め今まででしてきた体験、思考など個人的経験をすべて蓄積していると言われています。
その領域は膨大であり、普段使っている顕在意識の領域よりも90~97%もの能力を持っているとされるほどです。
たとえば人間が意識する事のない臓器などの生命活動を維持する時、思い出すことを諦めても時間が経って急に思い出したりする時、意識しなくても湧いてくる自分の習慣的思考や行動を行う時などは、潜在意識が働いたことによる結果です。
いわば膨大な数の細胞のコントロール、自分では思い出せない経験や記憶から情報を引き出し天才的な閃き、大事なことを自然と繰り返し思い出すことによる思考の強化など、多くの恩恵をもたらしてくれるのです。
そしてなにより、潜在意識は自分の信念や価値観など、根本的な考えや生き方の指針となっています。
たとえばあなたがスポーツ選手になりたいと潜在意識で思ったのであれば、潜在意識によって無意識にスポーツ選手になるような習慣を繰り返していきます。
たとえば潜在意識で苦手な物ができてしまうと、いくら顕在意識で「苦手を克服しないと」と考えても、トラウマとして本能的にそれを避けるようになりそれが習慣となってしまいます。
潜在意識は普段自分ではわかりにくいですが、このように人間が普段行ったり感じたりする習慣の大本になり、この毎日の習慣の繰り返しは人間の性格や考え方、在り方をも決定していくのです。
なぜ瞑想で潜在意識に働きかけることができるのか
この潜在意識はその名前の通り脳の奥底に潜んでおり、普通自分の意志だけでは引き出したり利用したりすることが難しくなっています。
しかし、この潜在意識に対し、先述した瞑想を行うことによって自分の意志でアプローチをかけることが可能になっています。
瞑想状態とは雑念を払い、湧いてくる思考や感情をありのまま受け入れている状態です。
いわば普段の悩みや不安、楽しみや怒りなどを考える「顕在意識」を遮断している状態ということになります。
そうして余計な顕在意識をシャットダウンすることにより、自分の奥底にある「潜在意識」を認識しやすくなるのです。
また瞑想、とくにヴィパッサナー瞑想の考え方は目の前のことだけでなく、周りのあらゆるものに目を向け受け入れることであり、これは意識しないことも覚えている潜在意識的な思考状態に近づいています。
こうした瞑想状態と潜在意識の類似性から、瞑想の実施は潜在意識に働きかける方法となるのです。
瞑想で潜在意識はどう変わるのか
正確には、瞑想を行うだけでは潜在意識を変えることはできません。
瞑想の実施は、潜在意識と顕在意識の境界を柔軟にし、二つの意識を限りなく近くすることを可能にします。
そしてこれが重要なポイント。
境界が曖昧になれば潜在意識にアクセスしやすくなり、自分が潜在意識で何を願っているのかを知ったり、そしてその書き換えを行いやすくしたりできます。
潜在意識の書き換えは、あなたが達したい目的やなりたい自分などを毎日紙に書き出したり声に出したりして意識に刷り込むアファメーションの実施が有効です。
そしてそれにプラスして普段の瞑想実施によって潜在意識とのアクセス回数を増やしておけば、より効果的な書き換えを行っていくことができます。
こうして瞑想を用いて、潜在意識を変えていくのです。
潜在意識を変える瞑想のやり方
まずは瞑想に集中できる環境を整えましょう。
雑音がない静かな場所、余計な光が当たらない場所、できるだけ人と会わない場所などを選んで下さい。
服装は締め付けの無い楽な服を着用し、楽な姿勢の取れる椅子やクッション、またはベッドの上で行うことがおすすめです。
瞑想中の呼吸は、へその下の下腹部の動きを意識する丹田式腹式呼吸を行っていきます。
1. まずは目を閉じて深呼吸を行う。
2. 丹田複式呼吸を行い、気持ちや意識を落ちつかせる。
3. 呼吸を繰り返します。合間に雑念が浮かんでくるが、その事実に気づきそっと手放す。
4. 周りが気にならなくなるほど集中できて来たら、普通の呼吸に戻して楽になる。
5. 意識をこめかみに集中させる。そこから自分の意識をどんどん下に向けていき、自分の中の底に居ることを感じ、そのままリラックス状態を維持していく。
潜在意識は、心身共に本当にリラックスした状態の時に現れます。
逆に緊張した場面だと顕在意識の方が強くなってしまうので、瞑想中はとにかくリラックス状態になることを心がけて下さい。(たとえば話す事に緊張してしまうと、話さないとという顕在意識が強くなりすぎて、何を話すのかどのように話すのかがわからなくなってしまう)
上記の瞑想を行うことで、物音が遠くの方聞こえるようになったり、身体の感覚が敏感になったり、夢の断片のようなものが浮かんでくれば、潜在意識にアクセスできた証拠になります。
そこから浮かび上がった思考、イメージがあなたの潜在意識です。
こうして日々潜在意識にアクセスしながら、あなたの本当の自分の確認、変わっていく潜在意識の過程を強く実感していって下さい。
まとめ
瞑想によって潜在意識に働きかけることによって、あなたの人生は自分の望むようなプラスを引き寄せることができるようになります。
正確には、潜在意識を変えることで普段の習慣が変わり、その積み重ねが最終的なあなたの望む姿に導いてくれるでしょう。
また、瞑想の実施だけでも、現在マインドフルネス瞑想が流行っている通り、集中力の向上やストレスの低減に効果的です。
是非あなたも日々の瞑想を行い、潜在意識を変えるなどの恩恵を受け、人生をプラスに変えていってはいかがでしょうか。