人の脳神経細胞は20歳前後をピークに徐々に衰えていくといわれていますが、最近の研究で脳神経細胞に刺激を与えると、脳神経細胞は何歳になっても増えることがわかってきました。
痴呆症や脳の衰えが気になる高齢者にとっては、とてもうれしい情報ですね。
「私はまだ若いから大丈夫」と安心している人はいませんか?
仕事や人間関係など何かとストレスの多い世の中ですが、実はストレスの与える影響は大きく、脳神経細胞を減少させたり、心がマイナスの感情に支配されると脳細胞が増加しにくいといわれています。
つまり、脳神経細胞を増やすと、ストレスに負けない心を作ることができるといえますね。
人間を形作る骨や筋肉は「使えば成長し、使わなければ衰える」という真理が働いていますが、脳神経細胞においても例外ではないようですよ。
脳神経細胞を増やすための効果的な方法を見てみましょう。
マインドフルネスとは
マインドフルネスとは仏教の瞑想をヒントに開発されたストレス解消法で、第三世代の認知行動療法として医学界のみならず企業や教育現場など幅広く注目されています。
マインドフルネスの手法は「今ここ」に意識を集中させて、評価や感情を入れずにただ観察し「気づき」を得るというもの。
マインドフルネスを続けた人をMRIで確認したところ、左海馬や側頭頭頂接合部の密度が増加したとの研究発表があり、脳科学の進歩は目覚しく、実際にマインドフルネスが脳の機能と構造に変化をもたらすことがわかってきました。
左海馬はストレスに関係する場所で、うつ病など精神障害のある人は小さくなっているとのこと。
また、側頭頭頂接合部は共感などに関係する部位のようです。
マインドフルネスと有酸素運動の組み合わせがいい?
脳神経細胞を増やすと、うつ症状や不安症が大きく改善されることが知られています。
脳神経細胞を新たに増やすには有酸素運動がよいことがわかっていますが、同じように脳細胞を増やす効果があるのが瞑想だとか。
アメリカのラトガース大学では、運動と瞑想を組み合わせたMAPトレーニングを開発し実験を行ったところ、うつ症状や不安が明らかに改善されたと発表しています。
しかし、運動は体を動かし瞑想は静かに座ってするものという印象があり、二つを同時に行うのは難しいのではと思いますよね。
実は、マインドフルネス瞑想は体を動かしながら室内外問わずどこでもできますので、運動と瞑想を同時に行うにはマインドフルネス瞑想を取り入れるとよいでしょう。
マインドフルネスのやり方
マインドフルネスは、どのような有酸素運動とでも組み合わせることが可能です。
有酸素運動というとジョギング、エアロビクス、ウォーキング、スクワットなどがありますが、ここでは老若に関係なくできるウォーキングに焦点を当てて、マインドフルネスのやり方をお伝えしましょう。
一般的には、有酸素運動としてのウォーキングの歩幅は身長-100cm、歩く早さは軽く会話ができる程度とされていますが、自分の体調に合わせてウォーキングを行ってください。
まず意識を足の運びにもって行きます。
「右足、左足、右足、左足」というように足の動きに意識を集中させますが、足の動きと合わせて心の中で「右足、左足…」と言って歩くと、集中しやすいかもしれません。
次にウォーキングシューズが土に着く感触を味わってみましょう。クッション性のよい中敷でしたら、足裏が感じる柔らかさでもいいですね。
徐々に意識を周りの様子に向けて、鳥の鳴き声や車の音、顔や手を吹き抜ける風のさわやかさ、庭に咲いている色とりどりの花など四季を感じてみましょう。
このように自分の周りに存在しているまたは起こっていることを観察していきます。
「今ここ」に集中していても、何かしら頭に浮かぶと思いますが、そのときはその浮かんだものを観察してください。
そこで大事なのは、自分の考えや感情を持ち込まないようにすることです。
第三者が見ているような感じで、その浮かんだ状況を観察します。
まとめ
マインドフルネス瞑想でストレス解消といっても、「どこまで信じてよいのかわからない」と思っている人も多いのでは!?
しかし、実際に脳の中で良い変化が起こっていることがわかると信憑性もまし、マインドフルネスを真剣に取り入れる人が増えるでしょう。
実は私もそのうちの一人なのですが…