「マインドフルネス」をご存知の方も多いでしょう。
マインドフルネスは、マサチューセッツ大学のジョン・カバット・ジン氏による、仏教の瞑想にヒントを得て発案された、心のトレーニング方法です。
瞑想は日本に馴染み深いものであるため、マインドフルネスは日本人に受け入れやすい手法でもあったのでしょう。
日本に上陸して間もないのですが、今では書籍やネットだけでなく、講習会やセミナー、研修会が多くのところで開催され、日本でもブームになりつつありますね。
「日常のストレスを取り除きたい」
「幸福感を得たい」
「EQ力(社会適応能力)を身につけたい」
「うつ病やパニック障害など、精神疾患を改善したい」
など、マインドフルネスに興味をもつ人の理由は、さまざまでしょう。
実際行ったら、どれだけの効果があるのでしょうか?また問題点は?
マインドフルネスの実情や問題点を知るには、実際取り入れた人の感想を聞くのが一番近道ですね。
ごく一部の人ではありますが、感想や体験談を見てみましょう。
マインドフルネスとは?
マインドフルネスは、当初「痛みや苦しみを取る」という医学的な見地から発案されたのですが、ストレス解消や集中力の向上にも効果があることがわかり、今では医学だけでなく、企業やスポーツ界など多くの業界から注目を浴びています。
現在日本でも、さまざまな業界が注目し研究を行っていますが、マインドフルネスの有効性と安全性を高めることを目的として、日本ではマインドフルネス学会が発足しました。
学会によるマインドフルネスの定義は、「今、この瞬間の体験に意図的に意識を向け、評価をせずに、とらわれのない状態で、ただ観ること」となっています。
つまり、あることに意識を集中させ、脳裏に雑念がわいたとき、その事柄を否定したり感情的になったりせず、あるがままに受け入れるということ。
意識を集中させるものは何でも良く、食事やウォーキング、食器洗い、掃除、ストレッチなど日常生活の中でも簡単に見つけることができますね。
マインドフルネスを実践した感想
マインドフルネスを実践した感想をネットにアップされている方がいらっしゃいますので、集めてみました。
・一番効果があったのは、寝つきがよくなったこと。
以前から寝つきが悪かったが、寝つかれないとき瞑想を行うと、心が寝る体制になってくる。
・イライラしなくなった。
・汗をかく運動をした後のような、快い感覚がある。
・予想外のできごとにも、慌てることなく自然な対応ができるようになった。
2度目の挑戦で、朝10分・夜5分行っている。
日常生活の中で何かを行っているとき、瞑想を思い出し直ぐに集中できるようになった。
ストレスに強くなって、幸福感も増している感じがする。
心が比較的平和でいられる。
体験者はお寺の関係者ですので、少し専門的な感想ではありますが…。
同感される方も多いと思いますので、取り上げさせてもらいました。
*瞑想難民にならない。
「マインドフルネス瞑想の効果」を求め過ぎて、「仕事がもっとできるようになるはずだ」「このやり方でよいのか」など迷いが出る人も中にはいるようですね。
瞑想とは、「ただ観る」事。得られることを求めないことが、肝心のようです。
*一時的ではなく、続けることが前提のマインドフルネス瞑想。
*同じ体験をしても感じることは、皆同じとは限らない。
「洞察力」や「共感力」を身に付けて、他者への配慮を忘れないことが大事。
*日常生活の中でマインドフルネスはできる。
何かをするとき漫然と流れ作業ですることが多く、「お茶を入れる」「歯を磨く」「食事をする」など、一つ一つに「気づき」をもって行うことが肝心のようです。
[ストレス障害と診断され、うつ症状を発症した人]
症状が辛い中、マインドフルネスと出会いセッションを受ける。
座って行う呼吸瞑想と自己洞察、徹底受容を行った。
8ヶ月でセッションは終わったが、今では病気だったことを忘れるぐらいに楽しく生活しており、洞察や呼吸法、運動は今でも習慣として行っている。
[長年パニック障害に悩まされ、藁をもすがる思いでマインドフルネスを取り入れた人]
毎日起きて直ぐ、呼吸法を30分行う。
当初は予期不安をコントロールできずに不調が続き、洞察もできないこともあった。
3年ほどかかったが講習会を卒業し、その後毎日呼吸法と洞察は行っている。
今では完全に症状がなくなったわけではないが、当初に比べたら雲泥の差で、呼吸法と洞察の大切さが体でわかるようになった。
まとめ
マインドフルネスは、副作用の少ない比較的安全なものではありますが、自分の内面と向き合う手法ですので、自分の感情コントロールが苦手な精神疾患をもつ人は、症状が重くなる危険性がないともいえません。
マインドフルネスを精神疾患の症状改善のために行う場合は、専門的知識を持つ人の指導を受けながら取り入れましょう。