ストレス緩和や創造性開発に効果があるとして2016年頃から話題となっている「マインドフルネス」。
セミナーやワークショップなども頻繁に行われ、本のタイトルにも多く使われています。
企業研修としても取り入れられていますが、興味を持つものの一歩先に進めない方もいるのではないでしょうか?
そこで今回はマインドフルネスが海馬にどのようなよい影響を与えるかについて、またその効果も合わせてご紹介します。
マインドフルネスとは?
マンドフルネスとは瞑想法や呼吸法をベースにして集中力を高めること。
自分の感情をまずはニュートラルにしコントロールしやすくする「心のトレーニング」です。
日々生活していると人間関係や仕事の内容、家族の問題や、自分の将来について考えることはとても多く、脳が休まる時がなくなるほど。
その脳の中に占める思考や感情を一旦リセットし、脳の中をクリーンにします。
そして「今、ここにいる自分」にフォーカスすることで、次にすべきことに意識を集中。
マインドフルネスを行うことでより集中力が高まり、最適な行動を起こすことができ、仕事を効率よく進められるようになります。
またストレスを軽減でき、斬新なアイディアが生まれ、ダイエット効果もあり、質のよい睡眠も期待できます。
マインドフルネスはスポーツ界にも導入されることが増えてきました。
勝つことにもこだわりつつ、ベストパフォーマンスを出せることに集中できる「フロー状態」に。
メンタルトレーニングとしても役立つため、取り入れるアスリートが増えています。
マインドフルネスで海馬に与える影響
マインドフルネスは話題になった当初「宗教的色が濃い」と言われることもあり敬遠する方も多く見受けられました。
しかし最近は化学的根拠に基づいた報告が発表され、脳化学の進歩によりマインドフルネスが脳機能に大きな影響と変化をもたらすことが明確になってきました。
【引用】
MRI(磁気共鳴画像診断装置)を使った研究では、マインドフルネスを続けた人は、左海馬や側頭頭頂接合部において灰白質(かいはくしつ)の密度が増加したという研究報告もある(※2)。前者は、感情コントロールに関係し、うつやPTSD(心的外傷後ストレス障害)の人では小さくなっていることが知られている部位であり、後者は思いやりや共感に関わっている部位である。
海馬とは?
海馬とは脳の中で記憶を司る器官とされています。
記憶を保管する箱のようなイメージ。
タツノオトシゴに似ている形なのでその名がついたようです。
この海馬はストレスを受けると萎縮し、そのストレスを感じるとホルモンコルチゾールを分泌。
このコルチゾールが大量に出てしまうと記憶を入れる箱が小さくなり、記憶力がダウンするという結果となります。
また海馬の萎縮が激しくなることが「認知症の原因」とも言われています。
ストレスの多い現代社会では65歳以下の「若年性認知症」も増えてきました。
海馬を萎縮させないことが、認知症を防ぐためにも大切であり、またマインドフルネスを行うとその海馬が大きくなるとも言われています。
海馬をより良い状態に保つためにも、マインドフルネスを取り入れることをおすすめします。
マインドフルネスのやり方
マインドフルネス瞑想はとても簡単です。
できるだけ静かで心が落ち着ける場所を選んで習慣にしていきましょう。
1、ゆったりと椅子に座り、軽く目を閉じます。
2、頭を上から引っ張られた状態にし、肩の力を抜きます。
3、鼻からゆっくりと3秒息を吸い、お腹を膨らませます。
4、鼻からゆっくりと6秒吐き、お腹を凹ませます。
5、体によい「気」が周り、体全体に満たされるイメージをします。
6、リラックスした状態を意識できたらゆっくりと目を開けます。
理想は15分ですが、最初はストレスをためずに続けられるよう3分から始めましょう。
鼻から吸って鼻から出す腹式呼吸も、難しければ吐く方を口で行っても結構です。
徐々に慣れていき、時間も少しずつ長めにすることを心がけてください。
途中で雑念が湧き上がっても、「また雑念が湧いてしまった」と自分を責めずに気にせず続けましょう。
マインドフルネスのための瞑想中にストレスを感じないことも大切です。
まとめ
マインドフルネスは海馬に良い影響を与えること、その効果についてご紹介しました。
ストレスをなくすことは健康にとっても重要なこともお分かりいただけたと思います。
マインドフルネスを毎日に取り入れること、またご家族や大切な人とご一緒に始めることをおすすめします。