「ホスピスに入院している末期がんの患者さんのもとで、友人が毎日笑い話をしていたら、いつの間にかがんが消えていた」という、ウソのような話聞いたことがありませんか?
「そのようなことがある?」「ない?」判断は皆さんにお任せしますが、「病は気の持ちよう」と昔から言われているように、心からマイナスイメージを排除することが体に良い作用をすることは、間違いなさそうですね。
「マインドフルネス」の主たる柱は、「今ここ」に心を向けることでストレスやマイナスイメージを頭の中から排除すること。
「マインドフルネス」が今注目されている理由は、このところにあるようです。
マインドフルネスとは?
マインドフルネスというと「瞑想」と同意語のように感じ、中には宗教みたいなもの?と勘違いされる方もおられるのでは。
マインドフルネスは「心を穏やかにする」訓練法として、もともと仏教の瞑想から発想されたものなので、瞑想も方法の一つには入りますが、宗教とはまったく違ったものです。
どこでもできる現代人にマッチしたもっと柔軟なストレス解消法ととらえてください。
マインドフルネスの「今ここ」って何?
「今ここ」を何かと考える前に、「今ここ」にいない心はどこにいるのかを、まず考えてみましょう。
「今ここ」にいない心は、過去のできごとか未来の思惑、または空想の世界へとあちこちと飛んでいます。
その世界が自然と笑顔を導く楽しい世界であるならば問題ないのですが、人の心は往々にして後悔や疑念、悔しさ、不安、羨望といったストレスを抱える感情に捕らわれやすいものです。
つまり「今ここ」にない心は疲れやすい、ストレスを抱えやすいともいえるでしょう。
「今ここ」というのは、文字通り「今の自分」「素直な気持ち」もっとつきつめれば「呼吸をしている自分」にグッと焦点を当てて、ありのままの自分に気づくことです。
ではいったい「今ここ」に集中することができれば、いったい何が変わるのでしょうか?
ありのままの自分に気づいたあなたはどんな心境になると思いますか?
「今の自分を否定しない」ということにつながるのではないでしょうか?
過去に起きたことは、今の自分からすでに離れています。未来に起きそうな不安なことは、今の自分には確定できないことなので考える意味がありません。空想の世界は現実な意味を持ちません。
「今ここ」に心を集中させると、「今ここ」以外のものが何も現実に存在しないことに瞬時に気が付くことができるでしょう。
つまり、「今ここ」だけに心を集中させると、後悔や疑念、悔しさ、不安、羨望といった雑念が排除され、心が明るく幸せに感じることができるようになります。
マインドフルネスのやり方
NHKに出演された熊野宏昭教授(早稲田大学)によるマインドフルネスの仕方を紹介しましょう。
- 正座でも椅子を使ってもかまいませんが、背筋をまっすぐに伸ばし、両肩を平行になるように座り、静かに目を閉じます
- 呼吸をするとお腹や胸が膨らんだり縮んだりしますので、そこに意識を向けます。お腹の動きと一緒に「ふくらむ、ふくらむ、ちぢむ、ちぢむ」と心の中で実況するとやりやすいかもしれませんね。
- 思わず雑念や感情がフツフツとわいてくるかも知れませんが、静かにユーターンしてまた呼吸に集中してください。雑念と集中を何度繰り返しても気にすることはありません。訓練するうちにわいてくる雑念は減り、すぐに集中できるようになります。
- 今度はお腹だけの呼吸にとらわれずに、手先足先まで空気が入っていくような気持ちで、体全体で呼吸をし、そのことに意識をかたむけます。
- さらに意識を広げ、自分を取り巻く現実すべてを感じてください。部屋の温度、空気、広さ、音など。そこには何の感情もありません。ただ観察するだけです。
- ここで終わりです。そっと目を開けます。最初は10分ぐらいから始めましょう。
まとめ
いかがでしょうか?
私も始めて挑戦しましたが、たった10分間のマインドフルネスに悪戦苦闘しました。
呼吸に集中しなければと思えば思うほど、思う意識にとらわれたり、家の前を通る車の音が気になったりと、なかなか難しいものですね。
でも、数分間は自分の呼吸に意識を向けることができたような気もします。
マインドフルネスの良さをもっと感じたいですね。それまで私も挑戦し続けようと思います。