マインドフルネスの効果

NHKのサイエンスZEROで紹介されたマインドフルネスとは?

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最先端の科学や技術の紹介や、さまざまな出来事を科学や技術の視点から解説していくNHKの人気番組「NHKサイエンスZERO」。

2016年にその「NHKサイエンスZERO」にて、今話題の「マインドフルネス」が特集されたのをご存知でしょうか?

宗教的な考えを抜きにし、脳科学や精神医学の観点から注目されているマインドフルネスは、まさにこの番組にマッチングしたテーマですよね。

今回はその「NHKサイエンスZERO」にて紹介されたマインドフルネス、そしてその実施方法について解説していきます。

マインドフルネスとは?

「マインドフルネス」の正しい定義は、「今、この瞬間のみに意識を向けている」という精神状態、またはそこへ至るための過程の総称です。

一般的には「マインドフルネス」=「瞑想やヨガを行う」という認識でも広がっていますよね。

書籍やネット記事では「マインドフルネス瞑想」とも記載されることもありますが、基本的には瞑想と同一視して問題ありません。

Googleやappleの創設者であるスティーブ・ジョブスや、テニス界のスーパースターであるジョコビッチも実施しているプログラムとして今話題になっています。

マインドフルネスの効果

マインドフルネスは、仏教の瞑想の概念を科学的に分析し、医学や療法にも取り入れられている「純粋な脳のトレーニング方法」です。

普段、私たちは常に何か考えごと、物事に対する評価を無意識に行っており、脳は休む暇もなく働いています。

そうして知らず知らずに脳の疲労がたまっていき、仕事中の集中力の低下やストレスの蓄積に繋がってしまっているのです。

そこでマインドフルネスを行い脳がクリアになることで、それらの脳の悪影響を取り除くことができます。

また、脳のトレーニングと言われるだけあり、脳科学の分野において、人間の脳にさまざまな影響をもたらすことが「NHKサイエンスZERO」でも紹介されています。

マインドフルネス実施の実験結果から見る脳構造の変化

「NHKサイエンスZERO」では、さまざまな外国の大学教授達の実験結果から、「マインドフルネスは脳の構造を変化させることができる」という驚きの研究結果を紹介しました。

実は2014年以前、人間は年を取り中高年あたりの年代に差し掛かると、脳の構造は死ぬまで変化しないと考えられていました。

しかし、新しく始まった実験の結果から、脳に中高年以降でも構造が変わっていく可塑性(かそせい)が確認され大きな注目を浴びます。

そしてマインドフルネスの実施は、その脳の変化に多大な寄与を与えることが実験の結果判明していったのです。

番組では「三日間のマインドフルネス実験」と「8週間のマインドフルネスプログラムの実施結果」について解説されました。

大脳の司令塔dlPECの変化

番組内において、「三日間5分間マインドフルネスを行い、それを意識して体操や散歩を行い過ごしたグループ」と「三日間ただリラックスして体操や散歩を行い過ごしたグループ」の実験が紹介されています。

結果はマインドフルネスを行ったグループは、行っていないグループと比べ、脳のdlPEC(前脳前皮質)の働きが大きくなりストレスがかなり軽減していた、というものとなったのです。

※dlPEC(前脳前皮質)とは、思考や認知などの知的な活動をする際のまとめ役としての働く脳の領域のこと

マインドフルネスを行っていないグループは、脳の安静時に常に雑念が浮かびぐるぐる考えている「デフォルトネットワーク」の状態が活発となっていました。

しかし、マインドフルネスを行ったグループはdlPEC(前脳前皮質)の働きによって、デフォルトネットワーク状態がうまく抑えられていたのです。

よって、雑念が浮かぶことが少なくなり、余計なストレスや不安を感じにくくなっていた、という結果となりました。

たった三日間の実施であっても、多大な効果があることが立証されたことになります。

マインドフルネスで脳の「海馬」や「偏桃体」の容量が変わる!?

番組では、8週間のマインドフルネスプログラムの実施前と実施後の脳の変化についても紹介されました。

その結果は、なんと脳の海馬が5%大きくなり、逆に偏桃体が5%減少しているというものだったのです。

特に偏桃体は、脳のストレスに大きく関わる部分であり、ストレスに対する過剰な反応を示します。

この部分が小さくなっているということは、ストレスに対する過剰な反応がなくなるということ。

つまり、ストレスを感じにくい脳構造への変化が起こったのです。

それだけではなく、偏桃体の減少はストレスに弱い海馬を守ることにも繋がり、長期記憶を司る海馬に成長がみられる結果にもなりました。

さらに、それら脳の構造変化だけではありません。

肥満、ガン、老化に関わる遺伝子の低下もみられ、遺伝子レベルでの活動の変化があったという驚きの結果も報告されたのです。

そして、今現在も世界中の研究者がマインドフルネスについて研究を続けており、さらなる進歩が期待されています。

NHKのサイエンスZEROで紹介されたやり方は?

番組ではマインドフルネスのやり方を以下の内容で紹介しました。

簡単かつ手軽に行える方法ですので、誰でもすぐに行うことができますよ。

1. 呼吸に注意を向ける。このとき、呼吸をコントロールしないのがコツ。
お腹が膨らんだら「ふくらんだ」、縮んだら「縮んだ」と心の中で唱えましょう。

2. 雑念が浮かんでくるので、その雑念に気づき、頭の中で「雑念」と唱えます。
その後「もどします」と唱え、再び呼吸に意識を向けるようにします。

3. 注意のフォーカスを広げます。パノラマ的な注意とも言い換えられます。
両足が床に付いている、背筋が伸びている、音や空気の流れを感じるなど五感で感じましょう

4. 最後にまぶたの裏に注意を向け、そのままゆっくり目を開けます。

これを最初は3分以下でもよいので始め、徐々に時間を延ばしていきましょう。

理想として、一日30分を毎日できれば大きな効果を得ることができます。

また、自然豊かな公園を歩き、多くの刺激を感じることもマインドフルネスと同等の効果があるという研究結果があります。

その際も余計な雑念を払い、緑の色、風の流れ、草木の匂いなどを五感で感じながら散歩してみてください。

マインドフルネスは目覚めの状態でもあるため、眠気を覚ますのにも良い効果を期待することができますよ。

まとめ

サイエンスZEROで紹介された通り、マインドフルネスは科学的観点から多くの素晴らしい効果が研究により明らかになってきました。

まさに科学・技術を扱う番組にふさわしい内容であるのです。

本当に効果があるか疑問であった方も、これで実際に多大な効能を得ることができると納得されたのではないでしょうか。

是非一度マインドフルネスを行って、その威力を体感してみて下さい。

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