「マインドフルネス」=mindfulness、あまり聞きなれない言葉かもしれませんね。
英語の直訳では、「注意深さ」「気がづくこと」「心にとどめておく」などと訳されます。
元はパーリ語のサティの翻訳であり、仏教における重要な要素である「念」に価します。
現在この「マインドフルネス」が世界中で注目されており、ビジネス界やスポーツ界、また医療治療法として取り入れられ始めました。
また「NHKのためしてガッテン」や、「世界一受けたい授業」などのテレビ番組で取りあげられたことも記憶に新しいですね。
では、実際「マインドフルネス」とはどういうものなのか?
今回は、おススメの書籍を合わせてご紹介していきたいと思います。
マインドフルネスとは?
そもそも「マインドフルネス」とは何でしょうか?
ストレス社会を生きる現代人は、日常生活の中で邪念や雑念、または偏った価値観、無駄な思考を抱え日々を過ごしています。
意識をしなければ「無」となる時間がないため、心の底から休まる瞬間がなく、知らぬうちにストレスを抱え、またそのストレスに対応することができなくなっていきます。
心療内科や精神科といった診療所が増えていることや、教育現場にもカウンセラーを設置するなどの傾向となっている現状がよくわかりますよね。
こういった状態を改善しようと試みるものが「マインドフルネス」です。
最もメジャーな方法が呼吸法を意識した「マインドフルネス瞑想」となります。
呼吸法
アメリカのアンドリュー・ウェイル教授によって考えられた方法です。
4つ数えながら鼻呼吸でゆっくりと吸い込みます。
7つ数えながら息をとめ、そのあと8つ数えながら口から息を吐きます。
呼吸法を行う際は、吸うときは入ってくる空気に集中しお腹のふくらみを感じると共に「ふくらむ、ふくらむ」と口の中で唱えてみましょう。
さらに吐くときは「縮み、縮み」と唱えましょう。
マインドフルネス瞑想方法
リラックスできる背もたれのある椅子に、骨盤を起こして安定させ背筋をのばし座る。
全身の力を抜き、姿勢を正したら手は軽く膝の上に置き、目を閉じます。
上記の呼吸法を意識し、5分から慣れてきたら30分程続けてみましょう。
この瞑想中、誰もが雑念を抱くでしょうが、無理に「無」になろうと意識をするのではなく、また「どうしたら改善できるか」などと良し悪しを判断することもなく、ただただ雑念を流すということが重要となります。
リラックスできる環境を選ぶことも大切ですね。
その際は、音や照明、匂いなどに注意しましょう。
マインドフルネス瞑想による効果
①「集中力の向上」
マインドフルネス瞑想などを実践することで、雑念を捨て目の前にある一つのことに深く集中する時間を持つことになります。
瞑想を習慣化させ、その瞬間に深く集中するということを繰り返すことで己の集中力を向上することに繋がります。
②「ストレスの解消」
マインドフルネスは、心理的要因にも効果があるとされ、ストレスやうつ病などの心理療法にも取り入れられるようになってきました。
思考が支配されがちな過去の体験や経験と「今」を切り離し物事をとらえることによって、ストレスや不安を軽減し、より前向きな考え方が出来るようになります。
結果、身体的・心理的に緊張が緩和されストレスの解消につながります。
③「洞察力・創造力・思いやりの向上」
マインドフルネス瞑想により、思考がクリアになり物事の本質をとらえられるようになります。
邪念や価値観にとらわれないその思考は、新たなものを創造する力となり、様々な能力を発揮しやすくなります。
また、他者と接する際に相手の心情に寄り添い受け止めることができるようになることで、相手をより思いやり、人間関係の円滑化にもつながります。
④「免疫機能の向上」
瞑想や呼吸法を取り入れることで、より心身ともにリラックス状態となります。
副交感神経が優位となり、ストレスが軽減されることで免疫力が高まります。
さらに、交感神経と副交感神経のバランスが保たれ、身体の緊張も緩和されることでより質の良い睡眠を取ることが可能となります。
⑤「うつ病などの再発防止」
ネガティブな過去にとらわれない「今」に集中することで、再発を繰り返すうつ病の防止に繋がります。
マインドフルネスのおすすめの本
1位
「サーチ・インサイド・ユアセルフ――仕事と人生を飛躍させるグーグルのマインドフルネス実践法」
チャディー・メン・タン (著), ダニエル・ゴールマン(序文) (著), 一般社団法人マインドフルリーダーシップインスティテュート (監修), 柴田裕之 (翻訳)
なぜGoogleの社員は、楽しく創造的に働き、柔軟性を持ち、優れた成果を上げられるのか?
その鍵を握るのが、独自の研修プログラム「サーチ・インサイド・ユアセルフ(SIY)」。
心を整える手法「マインドフルネス」を、科学にもとづき、日々実践しやすい形にした
「SIY」を開発者自身が語ったGoogle発のマインドフルネス実践バイブル。
世界26カ国で翻訳、出版されベストセラーになっています。
2位
「実践! マインドフルネス―今この瞬間に気づき青空を感じるレッスン[注意訓練CD付] 」
熊野宏昭 (著), 富田望 (その他), 樋沼友子 (その他), 荒木美乃里 (その他), 黒田彩加 (その他)
ストレスに対処する最新の心のエクササイズとして話題のマインドフルネス。
その最先端で活躍する医師/心理士・熊野宏昭氏による、わかりやすく、本格的な、実践の入門書です。
マインドフルネスの定義や実践方法書かれており、仏教と心理学的な観点が折衷されているので、多面的な理解を得られます。
3位
「世界のエリートがやっている 最高の休息法――「脳科学×瞑想」で集中力が高まる」
久賀谷亮(著)
TVで話題沸騰、シリーズ26万部を突破した売れ行きNo1のマインドフルネス入門書です。
著者は日米の医師免許を持ち、25年以上に及ぶ臨床キャリアを誇るアメリカ在住の精神科医。
科学的な根拠に基づいた「脳の休め方」=「マインドフルネス」を綴った内容となっています。
この本の人気ポイントは、内容がストーリー形式となっており小説仕立てが読みやすいという点にあるかもしれません。
4位
「マインドフルネスの教科書 この1冊ですべてがわかる! (スピリチュアルの教科書シリーズ)」
藤井英雄(著)
マインドフルネス瞑想法だけではなく、「食べる瞑想」「皿洗いの瞑想」「マインドフルストレッチ」など様々な瞑想法がこの1冊に集約されています。
「気づき」の重要性を説く解説本ですね。
「引き寄せ」ベストセラー著者で作家の奥平亜美衣が推薦していることでも有名です。
5位
「マインドフルネスストレス低減法」
ジョン・カバットジン (著), Jon Kabat‐Zinn (著, 原著), 春木 豊 (翻訳)
マインドフルネスストレス低減法の提唱者であり、この概念を広めたジョン・カバットジン。
彼による著書は、マインドフルネスに興味のあるすべての方におすすめできます。
呼吸への注意、正座瞑想、ボディースキャン、ヨーガ、歩行瞑想を体系的に組み合わせ禅思想に通じた体験を得るためのエクササイズを一般人にわかりやすく紹介しています。
まとめ
世界的に有名な企業経営陣、アスリート、セレブにまで浸透してきているマインドフルネス。
日本企業や医療現場で、社員研修の一環として取り入れられているケースも多くみられるようになりました。
脳は何もしていない(と思っている)状態でも疲れることが分かっています。
意識して「無」になること、リラックスする時間を日々の習慣として取り入れることにより、ストレスを軽減した生き方が出来るかもしれませんね。
ぜひ、「マインドフルネス瞑想」を実践してみましょう。