「マインドフルネス」という言葉、最近耳にすることが多くなりましたね。
NHKのためしてガッテンや、世界一受けたい授業など人気テレビ番組で取り上げられ、話題にもなりました。
ストレス社会である現代を生き抜く私たちに非常に効果的とされ、またビジネス界・スポーツ界・医療現場でも重宝されています。
では実際「マインドフルネス」とはどのようなものなのでしょうか。
マインドフルネスとは?
英語で「mindfulness」と表記されます。
元はパーリ語のサティを翻訳したもので、「注意深さ」「気がづく」「心にとどる」などと訳されます。
これは、仏教における重要な要素である「念」に価します。
マインドフルネスを発揮する手法として代表的なものに「瞑想」が挙げられます。
「マインドフルネス瞑想」では「今この瞬間に、ただただ集中している心のあり方を意識し、ありのままを受け入れる」ことを目指します。
日頃、雑念を持たずリラックスしている状態というのは皆無に等しいのです。
脳は常に動き続け、「不安・恐怖・否定・評価」など行動や言動一つ一つに価値観や過去の経験に基づく思考、時には無駄な雑念に振り回されることもあります。
「無」になる時間というのは、意識なしには作りだせません。
その時間を作ること、そしてそれらがもたらす効果に期待されるのが「マインドフルネス瞑想」にあたるのです。
アップル社創設者のひとりであるスティーブ・ジョブスが瞑想実践者であったことはとても有名な話ですね。
マインフルネス瞑想によってもたらされる効果は様々で、現在ではグーグル社、yahoo!社、インテル社など、世界で活躍する大手企業の社員研修にも取り入れられています。
マインドフルネスには効果はない?
まず「マインドフルネス瞑想」によって得られるとされる代表的な効果は以下のものが挙げられます。
①「集中力の向上」
マインドフルネス瞑想などを実践することで、雑念を捨て目の前にある一つのことに深く集中する時間を持つことになります。
瞑想を習慣化させ、その瞬間に深く集中するということを繰り返すことで己の集中力を向上することに繋がります。
②「ストレスの解消」
マインドフルネスは、心理的要因にも効果があるとされ、ストレスやうつ病などの心理療法にも取り入れられるようになってきました。
思考が支配されがちな過去の体験や経験と「今」を切り離し物事をとらえることによって、ストレスや不安を軽減し、より前向きな考え方が出来るようになります。
結果、身体的・心理的に緊張が緩和されストレスの解消につながります。
③「洞察力・創造力・思いやりの向上」
マインドフルネス瞑想により、思考がクリアになり物事の本質をとらえられるようになります。
邪念や価値観にとらわれないその思考は、新たなものを創造する力となり、様々な能力を発揮しやすくなります。
また、他者と接する際に相手の心情に寄り添い受け止めることができるようになることで、相手をより思いやり、人間関係の円滑化にもつながります。
④「免疫機能の向上」
瞑想や呼吸法を取り入れることで、より心身ともにリラックス状態となります。
副交感神経が優位となり、ストレスが軽減されることで免疫力が高まります。
さらに、交感神経と副交感神経のバランスが保たれ、身体の緊張も緩和されることでより質の良い睡眠を取ることが可能となります。
⑤「うつ病などの再発防止」
ネガティブな過去にとらわれない「今」に集中することで、再発を繰り返すうつ病の防止に繋がります。
自身のもつ歪んだ認知のパターンを消し去り、ありのままの自分を受け入れることで、心のストレスを軽減し、生きやすくします。
これらの効果がすべて「無い」という話は聞いたことがありません、しかし瞑想に関する多くの研究は少数の被験者を対象にしたものであり、フォローアップ研究もないというのが現状です。
つまり、他の医学研究などと比べると「科学的根拠がない」という問題点が残ります。
マインドフルネスの根拠や体験者の声
マインドフルネスは十分な科学的根拠による裏付けを伴わないまま広まり、今や10億ドル規模の大産業に成長し、多くの施術者や書籍、アプリにまで市場が拡大していっています。
米ブラウン大学精神医学・人間行動学のWilloughby Britton氏らの研究チームは「マインドフルネスによる健康効果を裏付ける科学的根拠はほとんどない」とする論文を発表しました。
上記で挙げたマインドフルネスのもたらす効果の内、①「集中力の向上」②「ストレスの解消」③「洞察力・創造力・思いやりの向上」などは比較的有効的な部分も認められると言われています。
しかし、④「免疫機能の向上」⑤「うつ病などの再発防止」などを過信してしまうと、本来治療を受けるべき人が受けるべきタイミングを逃してしまうという恐ろしい可能性も考えられ、危険視されています。
科学的根拠がないということを個々がしっかりと把握している必要がありますね。
マインドフルネス瞑想体験者の中からは、以下のような声があがっています。
(2日に1回程度10~15分の瞑想を半年間)
初めに気付いた効果は「ゴチャゴチャした頭の中がスッキリすること」です。
特に、瞑想が終わった直後の「頭の回転」と「感覚の鋭さ」には、自分でも驚くことがあります。
「無」の状態から、一気に外の世界の情報が脳内に入ってくるわけですから、何気なく生活していては、到底気付くことができない発想や考えが浮かんできたりもします。
もう一つ感じたマインドフルネス瞑想の効果は、自分の周囲の物事に対して、「過剰に気にしないこと」や「あえて反応しないこと」ができるようになったことです。
(毎日2時間、538時間瞑想)
特に大きく変わったところはものごとに捉われなくなってきたことと、ストレスがたまりにくくなってきた部分です。
瞑想を始める前までは我慢ばかりしていましたが、我慢をすることなく、受け流すことが出来るようになったおかげで心に負担をかける事がかなり減って来ました。
結論として私自身は瞑想は実生活に取り入れるととてもいいものだと感じています。
(マインドフルネス瞑想を始めるようになったら、かえって頭や心が疲れるようになった)
マインドフルネス瞑想にチャレンジしていると、なんだか脳が疲れるし、逆にストレスが溜まっている気がする。
本に書いてあるような「ミラクル」はすぐには起こらないと思った方がいい。
落胆すると思考回路がネガティブになって、瞑想の負担になる。
マインドフルネスの本には、瞑想を始めるとその日から「脳の疲れが取れた!」「心がすっきり落ちついた」などと、テレビショッピングさなかがらのすっごい効果が書き連ねられていますが、誰もがそんな簡単に効果を感じられるなら、今頃ラジオ体操レベルで広まっているはずです。
まとめ
「科学的根拠がない」と危険視する研究者も、マインドフルネス瞑想における全ての効果を否定してはいません。
現に多くの起業家が実践をし、また企業が社員育成プログラムに組み込み、医療現場では治療法の一つとして取り入れられています。
体験者の声には「マイナス思考ではなくなった。人付き合いが楽になった。」などストレス軽減につながる効果も挙げられています。